上司から注意された時、「私はダメだ」と受け取っていませんか?
2023年12月12日
職場で上司からの注意や指摘を受けることは、皆さん経験されていると思います。
上司からの注意や指摘を、批判として受け取っていませんか?
「私はダメだ」と自分自身の人格そのものを否定していませんか?
上司からの立場で考えてみると、部下に対する注意や指摘は、職務上の期待に対するフィードバックや、成長の機会を提供しているものです。本文では、上司の言葉を健全に解釈し、自身の成長と職場での成功を果たすために受け入れる方法をご紹介いたします。
精神的な回復力を高める
「レジリエンス」(resilience)という言葉、ご存知ですか?
「レジリエンス」は、一般的に「復元力、回復力、弾力」などと訳される言葉で、近年は特に「困難な状況にもかかわらず、しなやかに適応して生き延びる力」という心理学的な意味で使われるケースが増えています。
上司から注意や指摘を受けた時、上の図のように気分が落ち込み、モチベーションが下がり、やる気が起きづらい状況となります。その時、自分自身の力でモチベーションを上げるために必要な力が「レジリエンス」です。
レジリエンスを高めるために必要なことは、「自己受容」です。
自分の感情や考えを否定せず、理解しようとする姿勢が必要です。上司からの注意や指摘に直感的に反応するのではなく、一呼吸おいて、自分の感情を冷静に見つめ、理解すると冷静さを保てます。
上司の言葉の受け取り方
上の図は、ニューロ・ロジカル・レベルで、ロバートディルツにより体系化されたNLP(神経言語プログラミング)モデルです。
人間が物事をどのように捉えているのか解説するために、その捉え方を6段階に分けました。
上司からの注意や指摘を「私はダメだ」と落ち込んでしまっている時、「自己認識レベル」、つまり自己否定で受け取ってしまっています。「自己認識レベル」で受け取ってしまうと、次に繋がる行動をしにくくなってしまいます。その状態になった時は、上司が本当に伝えたかったことは何か、注意や指摘されたことを思い出してみましょう。
行動レベルで受け取り直す
「自己認識レベル」で受け取ってしまった時、「行動レベル」で受け取り直す例をご紹介します。
上司から依頼された資料を作成し、提出した際「この資料は全く使えない。」と指摘を受けました。その言葉を聞いて、「使える資料を作れない私はダメな人間」と落ち込んでしまいました。そして、「私はこの仕事に向いていない」と頭に浮かび、新しい資料を作り直す気力がなくなってしまいました。
このように考えてしまうと、自分自身の成長には全く繋がっていきません。
「上司に使ってもらえる資料」を作り直すという行動を修正すれば良いのです。そのためには、具体的な改善点を理解することが重要です。冷静に上司へ改善点のフィードバックをしてもらいましょう。
能力レベルで受け取り直す
次に「自己認識レベル」で受け取ってしまった時、「能力レベル」で受け取り直す例をご紹介します。
上司に対して新規事業に対するプレゼンテーションを行った際「何を言っているかわからない」と指摘を受けました。その言葉を聞いて、「こんなに準備したのに伝えることができない私はダメな人間」と落ち込んでしまいました。そして、「私はこの仕事に向いていない」と頭に浮かび、再度プレゼンテーションする気力がなくなってしまいました。
繰り返しになりますが、このように考えてしまうと、自分自身の成長には全く繋がっていきません。
「上司に伝わるプレゼンテーションの能力」を身につければ良いのです。そのためには、どのような能力を身につけたら良いのか、プレゼンテーションが上手な先輩に聞いて、改善点を明確にしてもらいましょう。
上司の指摘を成長の機会として捉える
上司からの注意や指摘は、しばしばネガティブな感情を引き起こします。しかし、これらの言葉には、自己改善と成長のための重要なヒントが隠されていることが多いです。まずは、自分自身のレジリエンスを高め、上記の例のように上司の言葉を捉え直すことによって、自己成長に繋がる結果に変えることが可能です。
そのために必要なステップをまとめておきます。
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個人的な感情を一時的に脇に置く
最初に自分の感情を理解し、その上で客観的に状況を分析し、感情的な反応を避けます。
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指摘された内容の核心を理解する
指摘の内容を具体的に把握し、ニューロ・ロジカル・レベルのどのレベルで改善ができるか見つけます。
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改善のためのアイデアを考える
受け取り直したレベルで、どのように改善できるかを考えます。
小さな改善を繰り返すことによって、成長を積み重ねることができます。すると個人のパフォーマンスを高める事ができ、自分自身のキャリアを前進させる事ができます。
是非、大切な自分自身を傷付けず、上司からの注意や指摘によって受ける否定的な言葉や態度を自分自身の解釈、捉え方を変えることによって、自己成長に繋げてゆきましょう。
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