お客様実績・インタビューCUSTOMER VOICE
株式会社CRAZY
オリジナルな内容の研修を経て
「お客様とのコミュニケーションが楽しくなった」
社名:株式会社CRAZY
URL:https://www.crazywedding.jp/
事業内容:イベントプロデュース事業 / ウェディングプロデュース事業 / ケータリングプロデュース事業 / 地域プロデュース事業
オリジナルウェディングのプロデュース事業などを手掛ける「株式会社CRAZY(クレイジー)様」。
お客様一人ひとりの人生と向き合う仕事において、感情を汲み取ったコミュニケーションができる人材育成に課題を抱えていたといいます。4回の研修を通じて何を感じ、どのような変化があったのか、CRAZY WEDDING最高経営責任者を務める中西章仁様、最高執行責任者の遠藤理恵様にお話を伺いました。
相手を理解することは、
自分を理解すること
事業内容についてお聞かせください。
中西:コアビジネスの「CRAZY WEDDING(クレイジーウェディング)」では、オリジナルウェディングのプロデュースを行っています。
次に立ち上げた「CRAZY KITCHEN(クレイジーキッチン)」はオーダーメイドのケータリングプロデュースですね。
「WHERE(ウェア)」では、課題を抱えている自治体と共同でイベントを開催したり、移住を促進したりといった地方創生に関する地域プロデュース事業を行っています。
「CCA(クレイジークリエイティブエージェンシー)」は、世界観や空間演出を含めた法人向けのクリエイティブサービス事業です。
さまざまなプロデュース事業を展開されていますが、会社を立ち上げた経緯は?
中西:2012年7月に3名の創業者が作った最初の事業がクレイジーウェディングで、これは会社を立ち上げる前からやっていたのかな。
遠藤:その時は、私と山川(咲)の2名でしたね。
中西:経緯としては、もともと結婚式は式場を中心とした箱売りビジネスで、結婚が決まったらまず式場を選んで、与えられた選択肢の中から作っていくというプロセスがほとんどですよね。その結果、新郎新婦ならではの個性が全く表現されていない、どこかで見たような結婚式が蔓延しました。
そういった課題と、創業メンバーたちが抱いていた「人生は素晴らしい」「一人ひとりが意志のある人生を選んでいける世の中をつくりたい」という想いをビジネスとして照らし合わせたときに、非常に親和性が高いことに気付いてクレイジーウェディングを立ち上げたんです。
「人生は素晴らしい」というキーワードが出ましたが、
人にフォーカスを当てるという意味ではUnleashの研修にも通じる部分があります。
研修を受ける以前から、そういう部分を伸ばしていきたいという課題があったのでしょうか?
中西:結婚式の手前にはお客様一人ひとりの人生があり、その人の人生に向き合うということは、感情に寄り添うということですよね。こちらの提案を押し付けるのではなく、お客様が人生の中で紡いできた感情や“その人らしさ”と向き合いながらコミュニケーションを取ることが重要だと考えています。お客様はそこで初めて「私たちのことを理解してくれている」と感じ、結婚式という大切な機会を私たちに委ねたいと思ってくれる。
ところが、会社が大きくなっていくと仕事も増えるし、オリジナルウェディングを作る上ではコミュニケーションの数も膨大になります。そうすると、お客様の感情に寄り添えなかったり、こちらの都合で押し付けたりということが起こってしまう。その瞬間、お客様の中には不安や不満が生まれますよね。オリジナルウェディングを作るのはお客様にとっても大変なことなので、その最中に不安を感じさせることだけはしたくないと思っていて。相手の感情をきちんと汲み取ったコミュニケーションができる人材を育成したいと常に考えていました。
遠藤:弊社のブランドメッセージで“NO OTHER EXPERIENCE(他のどこにもない体験を)”とうたっていますが、結婚式の当日はもちろん、そのプロセスも体験したことがないものを届けたいと思っています。結婚式を作るための期間というだけでなく、自分の人生を振り返る機会になればいいなと。中には向き合いたくない部分もあると思いますが、お客様と私たちが「人と人」としてつながっていると、そういうことも吐露してくれるんです。
そういった業務ではない人間的な部分や人生を扱うことに関しては、以前から知り合いだった長浜ご夫妻が親身になってくださったという経緯もありました。私たちは「人生に向き合う」ということをずっとやってきましたが、会社が大きくなるにあたって、それを誰にも真似できない“本物”にしたいという想いから研修を導入しました。
中西:そもそも、相手を理解するということは自分を理解することですよね。自分を認知した上で、相手を知ったり自分を知ってもらったりという“交わし合い”こそ、私たちが一番大切にしていることなんです。だからアウトプットは真似できても、お客様が抱く感情や私たちの世界観はどこにも真似できない。そこがお客様にとって革新的だと思っていただける点だと思っています。
弊社の経営の優先順位の2番目に「人間関係」をおいており、組織づくりも人間関係を大切にする時間を全体の20%くらいを内部の人間関係の調整や自己理解の時間に投資しています。組織で発生する問題や悩みの原因って、ほぼ100%が人間関係ですよね。人間関係が豊かであることが全ての拠り所になると思いますし、これも仕事の1つだと考えています。志と書いて“志事”でもいいですね。そういう捉え方こそが私たちのアイデンティティーであり、クレイジーをクレイジーたらしめているところかなと。
本当に革新的なことだと思います。
そこまで自己理解に時間を割いている会社は、おそらく他にはないですよね。
遠藤:結局、大事なのは本音を伝えることなんですよね。お客様に対しても、本音で話していないことがわかりながらそこに突っ込めないままだと、お客様から人生が変わるほどの結婚式とおっしゃっていただくことなんてない。相手の本音を引き出すには、まず自分が本音で話さないといけないけど、その場だけでできることでもないですし。
私たちは自分の人生そのものでお客様の人生に向き合うことを大切にしてきたので、「『生きる』と『働く』を分けない」と考えていて。そういう本質的な部分まで真似できないひとつかと思います。
中西:例えば、フォトジェニックかどうかという視点でInstagramを見たら他と大差ないかもしれません。そこの差別化も目指してはいるけど、あまり大事だとも思っていないです。
遠藤:うちにはクレイジーウエディングで結婚式をあげた新郎新婦さんが十何人と入社していて、中には起業する人もいました。結婚式を一緒に設計していく中で「意志を持って生きることってこんなに楽しいんだ」という気付きがあり、それを大切な人たちに認めてもらうことが成功体験になるんですよね。そこから行動が変わったり、「本当に人生が変わりました」というお言葉を頂くこともありました。
中西:それが私たちの目指すところではあるんですけど、難しい部分でもあって。特に中途採用でうちに入ってきた場合、感情を扱うということを今までやってこなかったから、やろうと思っても中々思うようにできないんです。感情を扱うには、まず感情を生み出している事実に向き合うといったテクニックも必要になります。
人が増えて組織が大きくなってきたこのタイミングで、「人生を変えるほどの結婚式を提供したい」と思っている私たち自身が、それをきちんとできているのかな?ここでは通用するけど、世間ではどうなんだろう?といったことを考えるようになりました。自分たちがやっていることの大切さや本質を改めて理解するには、外部の声が必要なんじゃないかと思ったのも研修を取り入れた理由の1つです。
遠藤:客観的な視点を入れたいということですね。
研修を経て「お客様とのコミュニケーションが楽しくなった」
研修を受けた感想をお聞かせください。
中西:研修では直子さん(Unleash取締役)が的確な問いを投げかけてくれて。しかも最初から設計されているわけではなく、自然に問いが生まれて、それに対して自分で答えを生み出していくという時間でした。人の感情や人生に向き合う仕事は生物(なまもの)なので、4回の研修の中でも状況がどんどん変わっていくんですよね。もともとは課題だったものが次の研修では課題じゃなくなっていたり、また別の課題が生まれたり。常に変化する私たちの状況に対して、臨機応変にその時々でベストな内容を毎回作れたことが良かったと思います。
遠藤:Unleashさんにお願いして良かったですよね。
中西:それこそ「このコースをお選びいただいたのでこちらの内容を」ということではなく、中華を頼んだ後に「やっぱり刺身が食べたい」と言ったらちゃんと刺身が出てくるような(笑)。私たちのように人の人生を扱う仕事は自分の人生を扱うことにもなるので、メンバーたちも日々変わっていくんですよね。そこに寄り添っていただけたのは大きかったです。
遠藤:研修の前にすり合わせをして「その後どうですか?」「じゃあ次回はこうしましょう」という風に変えていきましたよね。
中西:私たちの反応を見ながら、直子さんや長浜さん(Unleash代表)の視点、私の視点、遠藤の視点と変えていって。
遠藤:進行中も「今はどうだろう?」「もう少しこうしようか」と話しながら作っていけたことが良かったです。
研修を導入するにあたって、Unleashに決めた理由は?
遠藤:今までは外部研修を入れずに社内でやってきたんですが、先ほど話した客観的な視点を入れたいということで、中西と「誰かいる?」という話になって。ビジネスの方は中西に心当たりがあったので、じゃあカウンセリングは私の方で、ということになりました。その後、会って話をしたらすぐに「フィーリングだね」と(笑)。
中西:感情ファーストで、後からファクトが付いてきた感じ。
遠藤:深い話がきちんと伝わるというか「人間関係って大事ですよね」と言った時に、表面的じゃなく本質的に理解してもらえていると感じました。見ている部分が似ているというか、受け止めてもらえる感覚があったので。
中西:研修に関しても、長浜さんは私たちが「こういう風にしていきたい」という想いを本質的に理解してくれて、それを基に「こうしたらいいのでは」と提案をしてくれる。そのおかげで、お仕着せではないオリジナルな内容になったと思います。
研修を受けて、社内に変化はありましたか?
中西:打ち合わせで話題に上がる題材が変わってきましたね。納期やサービスの話でも必ず「ここでお客様がどう感じるか」「私たちはどういうアクションを取るべきか」という視点になります。メールを送るにしても、この言葉の選び方だとお客様が不安になるかもしれないから、こういう風に言葉を変えたら受け止めやすいんじゃない?と。表面的な部分だけではなく、お客様の感情を深く汲み取れるようになったと思います。
遠藤:メンバーはみんな人が好きなんですけど、「よりコミュニケーションが楽しくなった」という声もあります。お客様から「不安だ」という声を頂いたときの受け止め方も変わりました。前だったら焦ってしまったと思うんですけど、今は「どこが不安なんだろう?」と寄り添う姿勢になっている。そういうところは大きな変化だと思います。
全員で研修を受けたことで、共通言語ができたのも良かったですね。何か起こったときも、研修で使った問いを用いることでそこに立ち戻れるというか。「みんなで学んだ」ということに価値があったと思います。
「コミュニケーションが楽しくなった」というお話がありましたが、
コミュニケーションに対する不安がなくなったということでしょうか?
遠藤:それもあると思います。
中西:お客様も同じで、不安がある状態でオリジナルウェディングに挑戦しても、心から楽しめないですよね。うちのメンバーにしても、不安を感じながらお客様に向き合うのとそれがない状態では心持ちが違うだろうし、お客様の状態も変わってくるので、やり取りを楽しめるようになったということですかね。心理的安全性をお客様と担当者の間で築きやすくなったという感覚です。
遠藤:メールにしても「不安だ」という文面だけを見ると焦ってしまいますが、その裏にどんな気持ちがあるのか?ということも研修していただきました。「怒っているというよりは不安なんだ」という本当の気持ちを知ると、こちらもそこにアクセスすればいいということが分かりますよね。そういう構造を知れたことが、メンバーにとっても安心につながったんだと思います。
インタビュー日:2018年2月2日
聞き手・執筆:株式会社アクティベートファクトリー